― 心配性のあなたに伝えたい「数字の力」 ―

「もしダメだったらどうしよう…」
「嫌われたらどうしよう…」
「また失敗するかも…」
そんなふうに、最悪のシナリオばかり頭に浮かんで不安になってしまうこと、ありませんか?
私たちの脳は、未来に対して「不確か」なことがあると、それを「危険」だと判断して、不安や恐れを感じやすくなります。
そしてその不安が膨らむと、「最悪のことばかり」が脳内で繰り返され、まるで“現実のように”感じてしまうのです。
でも、ちょっと冷静になって考えてみてください。
その「最悪の事態」って、本当に起きると思いますか?
そして、どれくらいの確率で起きそうですか?
不安を数値化する――心理学的アプローチ
この思考法は、**認知行動療法(CBT)**という心理学の技法のひとつです。
CBTでは、「自分の思考を現実的に捉え直す(再構成する)」ことがとても大切だとされています。
その中でも効果的な方法が、「不安の“確率”を数値化すること」。
私たちが感じる不安の多くは、「根拠のない想像」によって生まれます。
だからこそ、それがどれくらい起こりうるのかを冷静に数字で考えてみると、不安がスーッと引いていくのです。

例1:告白したら振られるかも…
たとえば、気になる人に告白したいけど…
「振られたらどうしよう」
「もう会えなくなったらどうしよう」
「気まずくなって嫌われるかも」
とグルグル考えてしまう。
そんな時は、紙に書いてみましょう。
「その人に告白して振られる確率は?」→ 50%?
「振られたあと絶縁される確率は?」→ 10%くらい?
案外、「確率で見ると、そこまでじゃないかも」と気づくことがあります。
例2:仕事でミスしたらクビになるかも…
職場で小さなミスをした後、
「もう信用されない」
「上司に嫌われた」
「次またやったらクビかも…」
と不安に襲われることもあるでしょう。
でも冷静に考えれば、
「ミスで即クビになる確率」→ 5〜10%?
「このミスが今後の評価に影響する確率」→ 30%くらい?
多くの場合、“不安な未来”は頭の中だけで膨らんでいるだけなんです。
確率を数えることで、不安は縮む
不安に飲み込まれそうになったときは、こう自問してみてください。
- 本当に最悪の結果になる確率はどれくらい?
- 過去に同じような場面があったとき、どうなった?
- 他の人が同じ状況だったら、どんな声をかける?
こうして“数値”や“客観的視点”を持つことで、不安の霧が少しずつ晴れていきます。
最後に:感情の暴走を止めるのは、思考の整理
もちろん、どれだけ数字で考えても不安は完全には消えないかもしれません。
でも、「今、不安を感じてるな」と気づき、「この不安、本当にありそうなこと?」と確認する習慣が身につけば、感情に流されずに冷静に対処できるようになります。
不安に負けそうなときほど、数字で冷静になる――
それは、自分の心を守るための優しい心理学的スキルなんです。
📌今日のまとめ:
- 不安は「現実」ではなく「予測」から生まれる
- 最悪の事態は「確率」で見れば意外と低いことが多い
- 「確率で考える」ことで、不安の正体が見えてくる
![]() | アドラー心理学入門 よりよい人間関係のために (ベスト新書) [ 岸見 一郎 ] 価格:1100円 |

![]() | いちいち気にしない心が手に入る本 何があっても「受け流せる」心理学 (王様文庫) [ 内藤 誼人 ] 価格:847円 |

ぜひあなたも、明日から「心配になったら確率で考える」を実践してみてくださいね。
「思ったより起きなかったな」
きっとそう気づける日がくるはずです🌱