「どうせ私なんてダメだ…」
「また失敗するに決まってる…」
こんなふうに、頭の中に浮かぶ“マイナスな声”に、あなたはどれくらい振り回されているでしょうか?

もしかしたらその考え、本当に“事実”だと思い込んでいるかもしれません。
でも、心理学ではこうした「自動的に浮かぶネガティブな考え」には、思い込みや思考のクセが潜んでいることが多いとされています。
今回はそんな“自分の考え”を一度立ち止まって「それって本当?」と問いかけてみる、認知行動療法に基づいた心の整え方をご紹介します。
◆「思考=事実」じゃない?
まず大前提として、自分の頭に浮かんだこと=事実ではないという視点が大切です。
人間の脳は、感情が強く動くと、事実とは違う「ストーリー」を勝手に作り出すことがあります。
たとえば…
- ひとつ失敗しただけで「私は何をやってもダメだ」と決めつける
- 誰かに無視されたように感じて「嫌われたに違いない」と思い込む
これらは、「認知のゆがみ」と呼ばれるものです。
事実を冷静に見ず、感情のフィルターを通して“ネガティブな解釈”をしてしまうのです。

◆「それって本当?」と自問する習慣
そんなとき役立つのが、
「それって本当?」と自分に問いかけてみること。
これは認知行動療法(CBT)の基本的な技法のひとつで、
自動的に出てきたネガティブな思考に“ツッコミ”を入れて、少し距離をとるための方法です。
たとえばこんな感じ:
思考①:
「プレゼンがうまくいかなかった。やっぱり私は社会不適合者だ…」
→ 自問:
「本当に? 他の場面ではちゃんと話せたこともあったんじゃない?」
思考②:
「友達から返信が遅い…きっと嫌われたに違いない…」
→ 自問:
「それって証拠ある? ただ忙しいだけかもしれないよね?」
このように、浮かんできた考えに「問いかけ」をすることで、
思考の暴走を止めることができます。
◆「思考に気づく」だけでも効果あり
実は、「マイナス思考を消そうとしなくてもいい」のです。
大事なのは、考えに気づいて、飲み込まれないこと。
たとえるなら、
マイナス思考は「空に浮かぶ雲」。
その雲に気づきながら、通り過ぎるのを見守るような感覚です。
無理に晴れにしようとせず、「あ、今こんな考え出てきたな」と観察するだけでも、心の反応は変わります。
◆まとめ:「本当か?」と疑うことで、心にゆとりが生まれる
自分の中に生まれる“ネガティブな声”に対して、
「それって本当?」と聞き返すこと。
それだけで、思考の流れに飲み込まれにくくなり、
少しずつ“心にゆとり”が生まれていきます。
この小さな習慣が、あなたのメンタルを守る大きな武器になります。
![]() | やさしさを「強さ」に変える心理学 (PHP文庫) [ 加藤諦三 ] 価格:770円 |

![]() | 【中古】アドラー心理学で「子どものやる気」を引き出す本 / 星一郎 価格:310円 |

📌今日の心のヒント
💬 考えたことは「事実」じゃなく「可能性」。
疑ってみる力が、あなたの味方になります。
コメントを残す