「なんとなくモヤモヤする日」ありますよね
誰かにイライラしたり、落ち込んだり、不安でいっぱいになったり…。
そんな感情を抱えたまま、1日を終えるのはつらいものです。
でも、実はその「モヤモヤ」、ただ“話すだけ”で血圧が下がることがあるって知っていましたか?
今回は、心理学と生理学の視点から「言葉と健康」の関係をわかりやすく解説します。
ある女性のストーリー:話すことで変わった気持ち
仕事で上司に強く叱られたミナさん(仮名)は、家に帰ってもその言葉が頭から離れません。
顔は赤く、胸はドキドキ、呼吸も浅くなっていました。
そんな時、彼女はふとつぶやきました。
「あんな言い方しなくてもいいのに…」
たったひとことでしたが、その瞬間、呼吸が少し楽になり、体の力が抜ける感覚がありました。
これが、今回のテーマである「言語化の力」です。
なぜ話すと血圧が下がるのか?心理学のメカニズム
感情を“言葉にする”ことは、**「言語化効果(ラベリング効果)」**と呼ばれる心理現象として知られています。
具体的には以下のような流れが起こります:
- 感情が高ぶっているとき、脳は“危険”と判断し「交感神経」が活性化
- 心拍数や血圧が上昇、呼吸が浅くなる
- 感情を“言葉にする”ことで、脳の扁桃体(危険を感じる部位)の活動が弱まり、前頭前野(理性的判断)の働きが高まる
- 自律神経が整い、「副交感神経」が優位に → リラックス・血圧低下へ
つまり、話すことで脳が「もう大丈夫」と感じ、身体も落ち着くというわけです。
話す相手はいなくてもいい。ポイントは「自分の感情を知ること」
「話す」と聞くと、「誰かに聞いてもらわなきゃ」と思いがちですが、実は**“自分に話す”だけでも十分に効果があります**。
- 独り言を言う
- ノートや日記に書く
- 鏡に向かって話す
- 録音してみる(再生しなくてもOK)
など、自分の感情を**「見える形」にすること**が重要です。
感情は“フワフワした霧”のようなものですが、言葉にすることで“輪郭のある雲”になります。
曖昧だった気持ちに名前をつけることで、脳はその処理を始められるようになるのです。
「話すこと」ができないとどうなる?
逆に、感情をため込み続けると…。
- 血圧の慢性的上昇
- 肩こり、胃痛、頭痛
- 睡眠の質低下
- イライラ・無気力・うつ症状
といった影響が出ることもあります。
「何もしていないのに疲れる…」というときは、感情をうまく処理できていないサインかもしれません。
まとめ:言葉は“心のデトックス”
怒り、悲しみ、悩み、不安…。
どんな感情も、無理に我慢し続ける必要はありません。
声に出してもいい。
紙に書いてもいい。
誰かに話してもいいし、誰にも話さなくてもいい。
大切なのは、“今の自分の気持ち”に気づいてあげることです。
そしてそれは、心だけでなく、身体にとっても健康の第一歩になります。
🌿豆知識まとめ(記事下・コメント固定用などにも)
感情を言葉にすることで、脳の警戒反応が弱まり、
副交感神経が優位になります。
その結果、血圧・心拍・呼吸が安定し、心身のストレスが軽減されます。話すことは、あなた自身の“セルフケア”なのです。
次回予告 🎬
「夫婦喧嘩が多いと、傷の治りが遅くなるって本当?」
心理と身体の不思議な関係を、次回もわかりやすく解説します!


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