嚥下とは?━「食べる」を支える大事な動き

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嚥下(えんげ)とは、食べ物や飲み物を口から胃へ安全に運ぶ一連の動きのことです。私たちは普段、無意識に嚥下をしていますが、高齢になると筋力や反射が弱くなり、誤嚥(ごえん:食べ物や唾液が器官に入ること)や窒息のリスクが高まります。嚥下は「食べる楽しみ」と「命」を守る大切な機能です。介護の現場では、食事介助の場面だけでなく、普段の会話・姿勢・口腔ケアの質が嚥下に大きく影響します。


嚥下の流れ(ざっくり4段階で理解)

嚥下は大きく4つの段階に分かれます。

①先行期(食べる準備)
目で見て「食べ物」と認識し、匂いを感じ、唾液が出て口が動く準備をします。体調や意欲が下がると、ここでつまずきやすくなります。

②口腔期(口の中でまとめる)
食べ物を噛んで、唾液と混ぜて飲み込みやすい形(食塊)にし、下で喉の奥へ送ります。義歯の不具合、口の乾燥、嚙む力の低下があると、うまくまとまらず残りやすくなります。

③咽頭期(飲み込みの反射)
飲み込む反射が起き、喉頭(こうとう)が上がって気道を守りながら、食塊が食堂へ流れます。ここが弱ると誤嚥が起こりやすく、むせやすい人・むせないのに誤嚥する人(不顕性誤嚥)もいます。

④食道期(胃へ運ぶ)
食道の動きで胃へ送ります。逆流があると、夜間の咳や誤嚥性肺炎リスクが上がります。


嚥下を守るために介護でできること(今日からできる)

1)姿勢を整える(嚥下は姿勢で変わる)
基本は骨盤を立てて座ること。背中が丸いと喉が圧迫され、飲み込みにくくなります。
・足底が床につくk(つかない場合は足代)
・顎が上がりすぎない(軽く引ける位置)
・テーブルの高さを合わせ、前かがみになりすぎない

2)一口量とペース管理
誤嚥が多いのは「一口が大きい」「次々入る」「急がせる」時です。
・一口量は少なめ
・飲み込んだのを確認してから次へ
・途中で休憩(水分だけでなく”間”を作る)

3)食形態・とろみの調整
硬さ、まとまり、滑りやすさで嚥下の負担は変わります。合わない形態は、むせや残留の原因です。
・パサつくもの(パン・芋類)は要注意
・バラけるもの(ひき肉、刻みすぎ)は誤嚥しやすいことも
・とろみは「濃ければ安全」ではなく、合わないと残留する

4)口腔ケアは”誤嚥性肺炎の予防”
口の中が不潔だと、誤嚥したときに肺に菌が入りやすくなります。嚥下が弱い人ほど口腔ケアが重要です。
・食前:口を動かしやすくなる(乾燥予防)
・食後:残渣(ざんさ)を減らす(細菌を減らす)

5)食前の簡単嚥下体操
食事前に口と喉を起こすだけでも違います。
・深呼吸
・首・肩を軽く回す
・口を大きく開け閉め
・「パ・タ・カ・ラ」をゆっくり発生
・唾液をごっくん(空嚥下)


まとめ:嚥下を整えることは「安心して食べる」につながる

嚥下は、食べ物を安全に胃へ運ぶための精密な連係プレーです。高齢になると少しずつ低下しますが、姿勢・一口量・口腔ケア・食前準備を整えるだけで、リスクは大きく下げられます。大切なのは「むせたらっ危険」だけでなく、「むせないのに変化が増えた」サインにも気づくこと。食べることは生きる事。現場のちょっとした工夫が、利用者さんの楽しみと健康を守ります。

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