子どもでもわかるやさしい解説と、今はどうなったのかを深掘り
「介護療養型医療施設って、病院なの?介護施設なの?」
この言葉、介護の勉強をしている人でも少しややこしく感じます。
結論からいうと、介護療養型医療施設は、医療が必要な高齢者が長く過ごすための”病院に近い介護施設”のような存在でした。
ただし、今はもう制度としては終わっていて、役割は介護医療などへ引き継がれています。

私はこの制度を考えるとき、いつもこう思います。
「治すだけでは足りないし、介護だけでも足りない人がいる」。
高齢になると、病気の治療が必要なのに、同時委に生活の支えも必要になることがあります。そういう人のために生まれたのが、介護療養型施設でした。
まずは子ども向けに超やさしく説明すると
たとえば、おじいちゃんやおばあちゃんが病気になって、
・お薬が必要
・介護士さんの見守りも必要
・ごはんやトイレ、着替えの手伝いも必要
・しかも、それが長く続く
こんたとき、普通の家だけでは支えるのが難しいことがあります。
かといって、急いで直してすぐ退院する普通の病院とも少し違います。
そこで昔あったのが、介護療養型医療施設施設です。
すごく簡単に言うと、「病院の力を使いながら、長いあいだ介護も受けられる場所」でした。
介護療養型医療施設とは何だったのか

厚生労働省は資料では、介護療養型医療施設は、療養病床などを持つ病院または診療所で、長期にわたる療養が必要な要介護者に対して、療養上の管理、看護、医学的管理のもとでの介護、世話、機能訓練、必要な医療を行う施設とされています。つまり、ただ生活する場所ではなく、医療と介護を一体で提供する長期療養の場でした。
ここで大事なのは、名前に「介護」と入っていても、かなり医療色が強いことです。
特別養護老人ホームのように「生活の場」が中心というより、医療の必要性が高い人のための長期療養施設という性格がありました。
どんな人が利用する場所だったの?
イメージしやすくいうと、こんな人です。
・病状は急変期ではないけれど、医療管理が必要
・寝たきりに近く、日常生活の介護量が多い
・経管栄養や喀痰吸引など、医療的ケアが必要
・家で介護するには家族の負担が大きすぎる
・退院してすぐ在宅生活に戻るのが難しい
厚生労働省の参考資料でも、介護療養型医療施設は、他の介護保険施設よりも喀痰吸引や経管栄養などの医療処置を実施していたことが示されています。
つまり、「元気になったら家へ」よりも、医療を受けながら落ち着いて暮らす。
そんな役割が強かった場所です。
病院と何が違ったの?

ここが一番混乱しやすいところです。
普通の病院は、基本的に治療して退院を目指す場所です。
一方、介護療養型医療施設は、長く療養しながら生活する場所でした。
たとえるなら、
・普通の病院
→ケガや病気を治すために一時的に入る場所
・介護療養型医療施設
→医療が必要だけど、すぐに退院できない人が長く過ごす場所
この違いがあります。
私はここに、介護の難しさがよく出ていると思います。
人は「治る・治らない」だけでは分けられません。
高齢になると、完治しなくても支えながら生きるという考え方が大切になります。
介護療養型医療施設は、まさにその現実を受け止める制度だったと思います。
特養や老健との違いは?
介護施設は名前が似ていてわかりにくいですが、ざっくり整理するとこうです。
特別養護老人ホーム(特養)
生活の場としての性格が強い施設です。
食事、排泄、入浴など日常生活の支援が中心です。
介護療養型医療施設
医療が必要な高齢者が、長く療養しながら生活するための施設でした。
特養より医療が強く、老健よりも「在宅復帰」より「長期療養」に重心がありました。
この違いを子ども向けに一言で言うなら、
・特養は「暮らす場所」
・老健は「家に帰る練習をする場所」
・介護療養型医療施設は「医療を受けながら長く過ごす場所」
こんなイメージです。
なぜ必要だったの?
高齢化が進むと、「病気がある」「介護が必要」「でも家では支えきれない」という人が増えています。
昔は、こうした人を受け止める場所が十分ではありませんでした。
そのため、医療と介護の両方が必要な人を長く支える場所として、介護療養型医療施設は大切な役割を持っていました。
私は、この制度の存在自体が日本の介護の現実を物語っていると思います。
きれいごとだけでは介護は回りません。
家族の思い、医療の必要性、人手不足、生活の尊厳、その全部が重なるところに、この施設の意味がありました。
でも、なぜ廃止されたの?

ここが今の読者にとって一番大事です。
厚生労働省の施設では、介護療養病床(介護療養型医療施設)は令和5年度末で廃止されています。つまり、現在はこの制度はもう新しい形では残っていません。
では、なぜか。
大きな流れとしては、「医療の場」と「生活の場」のあり方を見直し、より生活施設としての機能を持つ仕組みに移していこうという考えがありました。
その受け皿として整備されたのが、介護医療院です。
介護医療院は、厚生労働省によると、要介護高齢者の長期療養・生活のための施設であり、必要な医療に加えて、生活施設としての機能を持つことが特徴です。プライバシーへの配慮も求められています。
つまり流れとしては、介護療養型医療施設
→役割を見直し
→介護医療院へ
という理解で大きく外れません。
今はどう考えればいいの?
今、「介護療養型医療施設」と検索する人は、たぶん次のどれかだと思います。
・昔の制度を調べたい
・親の施設探しで似た名前を見かけて混乱した
・介護福祉士やケアマネの勉強をしている
・介護医療院との違いを知りたい
今の感覚で言うと、介護療養型医療施設は”昔の制度名”として理解し、現在の実際の受け皿は介護医療病院などを見るのが自然です。
介護医療院との違いをやさしくいうと
介護療養型医療施設は、かなり「病床」「病院」に寄った仕組みでした。
一方で介護医療院は、医療が必要な人を支えつつ、生活の場としての要素をよりはっきり持たせた施設です。厚生労働省も、介護医療院について、長期療養と生活のための施設であり、プライバシーに配慮した環境整備が必要だと示しています。
私はこの変化を、ただの名称変更とは思いません。これは、「高齢者は治療の対象である前に、生活者でもある」という考え方が、制度に少しずつ反映された結果だと思っています。
病気がある人でも、その人には毎日の暮らしがあり、尊厳があり、落ち着ける空間が必要です。
その視点が強くなったのが、介護医療院への流れだと感じます。
昔の介護療養病床はどれくらいあったの?
厚生労働省の2020年資料では、令和2年4月末時点で介護療養病床を有する医療機関は、病院418、診療所207、病床数は合計19,955床とされています。すでにこの時点でも減少が進んでいました。
この数字を見ると、介護療養型医療施設は「昔たくさんあって今も同じようにある制度」ではなく、廃止に向けて段階的に縮小していた制度だったことがわかります。
子どもでもわかる「なぜ名前が難しいの?」の答え
介護の制度は、
・介護
・医療
・福祉
・保険
が混ざっているので、名前が長くなりやすいです。
でも本質はシンプルです。
介護医療型医療施設=病気のケアも必要なお年寄りが、長く過ごすための場所
これだけ覚えておけば、まず大丈夫です。
そして今なら、今はその考え方を、介護医療院が引き続いている
ここまでわかれば十分です。
私はこう考える
私は、介護療養型医療施設という言葉には、日本の介護の苦労が詰まっていたと思います。
家で看るには思い。病院にずっといる前提でもない。でも、医療は必要。しかも本人には生活がある。
この「どこにもぴったり当てはまらない人」を支えるために、制度は作られ、見直され、また新しい形に変わっていきました。
介護の世界は、白か黒かでは語れません。
元気か寝たきりか、治るか治らないか、家か施設か。
そんな単純な二択ではないのです。
だから私は、介護療養型医療施設を学ぶ意味は今でもあると思います。
もう廃止された制度でも、そこに何が求められていたのかを知ると、今の介護医療院や施設選びの見方が深くなるからです。
制度の名前を覚えることより、「その人に何が必要だったのか」を考えることの方が、ずっと大事だと私は思います。
介護医療型医療施設についてよくある疑問
Q1.介護医療型医療施設は今もあるの?
制度としては、令和5年度末で廃止されています。現在は介護医療院などへの転換が進んでいます。
Q2.どんな人のための施設だった?
長期療養が必要で、介護だけでなく看護や医療管理も必要な要介護者のための施設でした。

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