医学的管理って、介護で何をすること?

介護知識

介護現場でいう医学的管理は、ざっくり言うと**「体調の変化を早めに見つけて、必要な対応につながるための管理」**です。

医療行為(点滴・注射など)そのものを介護職が行うという意味ではありません。
介護職の役割りは大きく3つです。

1.観察する(いつもと違うを見つける)
2.記録する(多職種が判断できる材料を残す)
3.つなぐ(看護師・医師・家族へ適切に報告する)

つまり、医学的管理は「医療の代わり」ではなく、生活の中での早期発見と悪化予防です。


介護職が押さえるべき観察ポイント(毎日の”当たり前”が材料)

医学的管理で一番大切なのは、特別な知識よりも「観察の質」です。ポイントは、”数値”と”様子”をセットで見ること。

①バイタル(ある施設は看護師中心でも、介護職も感覚は持つ)
・発熱(微熱が続く、急な高熱)
・脈が速い・遅い、いつもより不整
・血圧が引地(ふらつき、意識がぼんやり)
・呼吸が浅い・苦しそう、息切れ
※バイタル測定を介護職が行う現場では、**「図った後の解釈と報告」**までが大事です。

②食事・水分(誤嚥と脱水は”静かに進む”)
・むせ、湿った声、食後の痰が増える
・食事量が落ちる、飲み込みに時間がかかる
・口の中に残る、口臭が強い
・尿量が減る、尿色が濃い、皮膚が乾燥
「今日は食べない」だけで終わらせず、原因が”体調”なのか”環境”なのかを見ます。

③排泄(感染・便秘・脱水が見えやすい)
・便秘が続く(硬便、残便感、腹部膨満)
・下痢(脱水、皮膚トラブル、感染疑い)
・尿回数が極端に増減、尿臭が強い、血尿
・排尿痛のサイン(落ち着かない、拒否、陰部を気にする)
排泄は恥ずかしさがある分、本人が言いにくいことも。介護職の観察が鍵です。

④皮膚・創部(褥瘡は”作らない”が基本)
・発赤が消えない、皮膚がふやける
・かゆみ、湿疹、搔破
・浮腫(靴下跡が戻らない)
・ちょっとした傷が治らない
体位交換やスキンケアは、まさに介護の”医学的管理”のど真ん中です。

⑤意識・行動(せん妄は見逃されやすい)
・いつもよりぼーっとする、反応が鈍い
・逆に落ち着かい案、怒りっぽい、夜眠れない
・急にできていたことができない
・「なんか変」を感じる違和感
高齢者は体調不良が「痛い」ではなく、行動の変化として出ることが多いです。


記録と報告で差がつく:伝え方の型(SBARが便利)

異変に気付いても、報告が曖昧だと対応が遅れます。おすすめはSBAR
・S(状況):何が起きた?
・B(背景):いつから?既往歴や普段の状態は?
・A(評価):あなたの見立て(例:脱水っぽい、誤嚥疑い)
・R(提案):どうしてほしい?(看護師確認、受信相談など)
例:
「S:昼食後から痰が増えて声が湿っています。B:普段はむせ少な目で食事は全量。A:誤嚥の可能性がありそうです。R:口腔内確認と、今夜の食形態の指示お願いします。」

この型があるだけで、連携が一気にスムーズになります。


介護の医学的管理で大事なのは「境界線」と「チーム」

介護職は医療行為の判断者ではありません。だからこそ重要なのが、
・勝手に判断して放置しない
・不安があれば早めに相談する
・情報を具体的に残す

 この3つです。


まとめ:医学的管理は”生活”の中にある

医学的管理は、難しい医療知識を覚えることではなく、いつもの生活の中で「いつもと違う」を拾い、悪化を防ぐ仕組みです。

観察→記録→報告→連携→予防
この流れが回り始めると、利用者さんの安心はもちろん、現場の事故やクレームも減り、職員の不安も小さくなります。


最後に

あなたの現場では、「医学的管理」として特に大事にしている観察ポイントはなんですか?
「食事」「排泄」「皮膚」「せん妄」など、現場あるあるも含めて、ぜひコメントで教えてください。

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