臥床(がしょう)とは?まず言葉をそろえよう

介護知識

臥床とは、ベッド上で横になって得過ごす状態のことです。介護現場では「ずっと寝ている」「体調が悪くて横になっている」「医師の指示で安静が必要」など、様々な場面んで使われます。ただ、ひとくちに臥床と言っても、目的や必要度はバラバラ。ここを曖昧にしたままだと、**”寝かせすぎ”にも”動かしすぎ”**にもつながります。
だから大事なのは、「この人の臥床は、何のために必要なのか?」を整理してチームで共有することです。


臥床の主な種類
臥床は、ざっくり分けると次のように整理できます。

①安静臥床
医師や看護師の判断で、治療や回復のために動きを制限する臥床です。例えば発熱・感染症で体力を温存したい、心不全や呼吸苦があり負担を減らしたい、骨折や疼痛で動くと悪化する可能性がある、出血リスクがある、など。

②休息臥床(疲労・体力低下による臥床)
医療指示ほど厳密ではないが、本人の疲労や活動量低下で横になっているケース。夜眠れていない、食事量が落ちた、抑うつ気分、環境変化(入所・転居)、日中の刺激不足など、背景は幅広いです。
このタイプは「体力を回復させる休息」でもありますが、長引くと廃用が進みやすいので、原因探しと生活リズム調整がカギになります。

③習慣性臥床(生活パターン化した臥床)
痛みや不安、失敗体験(転倒など)がきっかけで「動かない方が安心」となり、臥床が日課になってしまうタイプ。
ここは声掛け一つで変わることもあれば、逆に無理な促しで拒否が強まることもあるので、小さな成功体験の積み重ねが重要です。

④終末期・緩和ケアとして臥床
体力低下が進み、臥床中心になることで苦痛が少なくなる場合があります。目標は「動かすこと」により、安楽・尊厳・苦痛の軽減。体位や呼吸の楽さ、皮膚トラブル予防、家族の安心につながる説明が大切になります。


安静臥床の”落とし穴”—守るほど弱る
安静臥床は必要ですが、長期間続くと別のリスクが出ます。代表的なのが廃用症候群です。筋力低下、関節拘縮、起立性低血圧、食欲低下、便秘、せん妄、褥瘡、肺炎(痰が出せず留まる)、血栓など。
つまり「安静=安全」ではなく、安静で守りつつ、安静で起きる問題を予防するという二段構えが必要になります。


介護職が押さえる安静臥床のケアポイント

1)安静の”程度”を確認する
「トイレは行っていい?」「車いす移乗は?」「端座位は何分まで?」など、安静にも段階があります。現場で曖昧になりやすいので、指示が不明確な時は確認し、記録・申し送りで統一します。

2)体位変換・除圧は”時間”より”状態”
褥瘡予防は2時間ごとが目安と言われていますが、皮膚の赤身、汗、むれ、骨突出、栄養状態でっ必要度は変わります。仙骨・踵・大転子・肩甲骨は要チェック。クッションにやポジショニングで「楽で、戻らない姿勢」を作ると、本人の不穏も減りやすいです。

3)呼吸・たん・口腔の観察をセットする
安静臥床では痰が溜まりやすく、誤嚥性肺炎のリスクが上がります。呼吸数、SPO₂、湿った席、痰の絡み、発熱だけでなく、口腔ないの乾燥・汚れにも注目。口腔ケアは”清潔”だけでなく”肺炎予防”の意味が大きいです。

4)便秘・脱水・食事量低下は早めに拾う
動かない+水分不足は一気に悪化します。排便間隔、腹部膨腹、食事摂取量、尿量、下の乾燥、皮膚の張りなどを観察し、必要があれば看護師へ早めに報告します。

5)声掛けは「焦らせない・責めない」
安静臥床中は本人も不安です。「動けない自分が情けない」「迷惑をかける」と感じやすい。おすすめは、
・「今は身体を休めるのが治る近道ですよ」
・「できることは私たちが一緒にやります」
・「しんどさ、今10段階でいくつですか?」
 のように、安心と見通しを渡す言葉です。


まとめ:安静臥床は”寝かせる”ではなく”守りながら整える”
臥床はいくつか種類があり、特に安静臥床は医療的な意味を持つ大切な対応です。一方で、長引けば廃用や肺炎、褥瘡など別のリスクも増えます。だからこそ介護職は、安静の程度を確認し、体位・呼吸・口腔・排泄・栄養をセットで整えながら、本人の不安を減らす関わりを続けることが重要です。
「必要あ安静」と「妨げる低下」が切り分けられるチームほど、回復も早く、本人の表情も変わります。


あなたの現場では、**安静臥床の”指示の共有”**ってうまくできていますか?「ここが曖昧で困った」「こうしたら統一できた」など経験談があればぜひコメントで教えてください。

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