介護現場の「安否確認」

介護知識

災害や感染症の流行、停電・断水、交通遮断—。非常時にまず必要になるのが「安否確認」です。けれど現場では、いざという時ほど電話がつながらない、誰に何を聞けばいいか分からない、情報が二重三十になって混乱する,,,,,ということが起きがちです。
安否確認は”気持ち”だけで破綻します。普段から「型」を作っておくことで、初動の迷いが減り、利用者さんと職員を守れます。


安否確認とは「命の優先順位を決める作業」

安否確認は単に「無事ですか?」と聞くことではありません。
①誰が危険かを早く見つける
②必要な支援(医療・水分・移動・連絡)につなぐ
③情報を一本化して混乱を防ぐ

この3つが目的です。だからこと、確認事項は”短く・具体的”が正解です。


介護施設での安否確認:基本の流れ

①連携系統の起動(最初の5分)
・施設の指揮者(管理者/当直責任者)を決める
・連絡担当(情報を集める人)を決める
・記録担当(メモを一本化する人)を決める
 ※この3役が決まるだけで、現場が落ち着きます。

②利用者の安全確認(最優先)
チェックはシンプルに:
・意識:呼びかけに反応するか
・呼吸:苦しさ、せき込み、喘息はないか
・出血・外傷:転倒、打撲、骨折疑い
・水分・体温:脱水、発熱、低体温
・居場所:全員いるか(行方不明がないか)
「いつもと違う」を拾うのが介護の強みです。普段の状態を知っている職員ほど、異変に気づけます。

③ライフラインと環境確認
・電気:非常灯、医療機器の電源
・水:飲料水・トイレ・手洗い
・空調:夏冬の室温維持
・食事:在庫、配食の目処
・建物:ガラス破損、漏水、避難経路

④家族・関係機関への連絡(テンプレで)
連絡は「誰が・何を・どこまで」を統一します。
例:
・施設の状況(建物/停電/断水)
・利用者本人の状況(ケガなし/・発熱なし等)
・面会や迎えの可否(混雑防止のため条件提示)
・次回連絡予定(〇時に再連絡します)
ポイントは、次回連絡の約束を入れること。家族の不安が下がり、停電が集中しにくくなります。

⑤記録と共有(1枚にまとめる)
口頭伝達はミスが出ます。最低限これだけ:
・時刻
・対象者
・状況(短文)
・対応(実施したこと)
・次の課題(経過観察・医療連携など)


電話がつながらない時の「代替え手段」を決めておく

災害時は回線が混雑します。事前に複線化しておきましょう。
・SMS(短文が通りやすい)
・LINE/ビジネスチャット(グループで共有)
・安否確認アプリ(職員用に統一)
・神の連絡も(停電時の最終手段)
大事なのは「バラバラに使わない」こと。
施設として”これを使う”を一つ決めるだけで混乱が激減します。

よくある失敗と対策

・全員が全員に電話して混線→連絡担当を固定、情報の入り口を一本化
・詳細を聞きすぎて時間がかかる→安否は”未次悪”、詳細は二次対応
・メモが散らばって後で分からない→記録担当を置く、フォーマット固定
・「大丈夫です」だけで終わる→次回連絡の時間を必ず伝える

すぐ使える:安否確認チェック項目(超短縮版)

・利用者:意識/呼吸/外傷/発熱/居場所
・環境:停電/断水/室温/危険個所
・連絡:指揮者決定/家族へ概要+次回連絡時間
・記録:時刻・状況・対応・次の課題


安否確認は、災害時だけのものではなく「普段の連携力」がそのまま出ます。逆に言えば、普段から型を作っておけば、非常時の不安は確実に減らせます。

あなたの職場では、安否確認は”誰が””どの手段で””どの順番で”やっていますか?
よければコメントで、工夫している点や「ここが不安」という部分を教えて下さい。こちらも現場目線で一緒に整理します。

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